2006・10
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2006/10/06 (Fri) グレーの選択。
本当にメモしなきゃならないのは、話を聞いた後になってから、
その大切さが身に染みて感じられるような言葉。

らしいので、日記帳にちょっとメモ。

現在法律改定に伴う全施設の重要事項説明書作成の取りまとめをやっているのだが、施設によって本当個性がさまざま。

「ギリギリになって本当ごめんなさい。ウチが一番最後ですか!?」
 ――いえ、むしろ一番手です。
「時間内にレイアウト調整できなかったんで、そっちでやってください」
 ――少しくらい遅れてもいいから、自分でやってください。
「レイアウト調整するのに時間かかりましたよ。ふふ、完璧でしょう?」
 ――確かに完璧ですが、誰がPDFにしろと?
「時間内に終わったよーん。お疲れさま☆」
 ――お疲れ様。うは、誤字脱字だらけだぁ。

本当に、会社ってのは人間だと思う。
レイアウト1つとっても、異様に美しいものから赤字がそのまんま残ってるヤツまで、個性的と言うか統一性がないと言うか・・・。

そんな中で。
締め切り過ぎても提出されず、催促しても「まだチェックが終わってない」と一点張りの施設があった。

その施設がいい加減かと言われれば、むしろその逆。
ものすごーくきちんとしていて、信頼できる施設だ。
設立から長く、仕事にプライドを持ってるベテランが多いからかもしれない。

でも、けど、それだけに。
仕事の質に拘るあまり、時間を超過しちゃうんである。

しかも、やはり時間超過はまずいと思ってるのか、
きちんとやってることを証明しようとするように、
細かなミスとか、フォーマットの改善を提案してくる。

いやあの。君の言ってることは正論だと思うけど、
他施設とか、契約書やパンフとか、君の後ろに列ができてんですけど。

一事が万事その調子。
全施設に電話で連絡事項を聞いているときも、
いちいち細かいことに拘って時間がかかるったらありゃしない。

言いたいことは分かるけど、施設は君だけじゃないんだよー!
と頭を抱えたくなる。
目上が多いから言えないけど。うう。。

時間超過中の何度目かのミス指摘の電話に、
遂に「いっそコイツ切り捨てるか?」という思考が頭をよぎった。

私の任務は、業務全体の鳥瞰図を把握して時間通り進めること。
一つ一つをきちんと進めたがる施設の立場も分かるが、
度を越されると業務全体の流れがめちゃくちゃになる。
次の業務も、他の施設も待ってるし。

でも、んなことしたら、この施設の信頼を失うよな。。。
ていうかこの判断自体、会社として正しいのか私の立場(性格)故なのか、イマイチわかんないし。

でもここは組織だから、普通に考えたら私の立場が優先されるはず。
あー・・・でもなー・・・ベテランさんたちには恩もあるしなぁーうー。

てなわけで、困り果てて上司の1人に聞いてみることにした。

「かくかくしかじかなんです。

 大きく動くのが私の任務だと思うんですけど、
 この判断は客観的に見て正しいでしょうか?

 待つという判断は「優しい」とは思いますけど、
 そんな優しさは業務全体をめちゃくちゃにします。
 でも切り捨てたら、信頼失墜で今後の業務に支障が出そうです」

 電話越しに上司はゲラゲラ笑い転げた。

「真面目だなー。
 そんなの、そうですねー仰るとおりですって聞いときゃいいんだよ。
 で、やらない」

「は?でもそんなことしたら信頼が・・・」

「その施設にだけ分かるように直しときゃいいんだよ。
 反論するとごちゃごちゃうるさいんだろ?」

「そ・・・ですけど」

「確かにあなたの立場だと、大きく動くべきだよ。
 でも切り捨てたら、後に禍根が残るだろう」

「そか・・・相手にわからないように切り捨てればいいってことですね」

「そーそー。そもそも相手は、自分の行動が施設全体に影響するってことに無頓着だからそういう行動に出るんだろう。
 そういう相手は、とりあえず聞いといて個別対応すればいいよ」

「あ、ありがとうございます!
 すいません、なんか白黒つけようと躍起になってて、
 そういう灰色の答えが思いつきませんでした」

「はははっ。がんばれよー」
 
 独特の魔術師のような笑い声を残して、上司は電話を切った。

なんか本当、理屈でない灰色極まりない考え方。
でもマネジメント全体に通じる、絶対必要な考え方だなーと思った。

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