弟に、自殺願望を打ち明けられた。
「悪いけど、そのうち自殺するかも
何のために生きてるのか、本当に分からないんだよね。
生きていくことに何の意味も見出せない。
生きてるのが辛いって言うより、面倒くさい」
とあっけんからーんと言い放たれた。
・・・しかもその気持ちが、分かったりした。
私と弟は占い師さえ姉弟と見抜けないほど似ていないし、
考え方も性格も生まれたときから全く違うけれど、
ものの見方や人生観は共通点が多いと思う。
家族に対するドライな感情とか、合理的なところとか。
父が倒れたと聞いた週末、姉は深夜まで呑み会へ、
弟は土日自宅でぶらぶら休養して帰省しなかった。
その時2人の思いは共通。
だって意識不明の重体なら、帰っても仕方ないじゃん?
心の壁が厚いところとか、異様に強い自立心とか。
人に弱みを見せることがストレスになる姉と、
母の死を知る友達がほとんどいない弟。
2人とも1人で自宅に戻った瞬間が、一番ホッとする。
だって本当に重要なことを他人と分かち合えるはずないし、
周りのものは全て移り変わるから、頼りになるのは自分だけじゃん。
「暖かい家族をもちたいと思う?」
「持てればいいなぁとは思うけど、全く想像できないな」
「だよね。想像すると、遠くにある景色かテレビの画像みたいになる」
「そうそう!家に帰って人がいて、癒されるってことの意味がわからない」
「1人暮らししてさ、自宅に帰った瞬間一番ホッとするよね」
「うん。暗くて誰もいない部屋の電気をつけるとき。
ああ、自分の部屋に帰ってきたなあって心から落ち着ける」
深い話をすると、まるで自分と話しているように錯覚する。
性格は全然違うのに、変なの。
「あんたが死んだら、私この状況下で1人取り残されるのか。嫌だな」
「悪いとは思うけど、そんなことかまってられないからね」
「分かるけどさ。死にたいときって、もうどうでもよくなるでしょ?」
「そう。本当に面倒なの。生きる気がしない。時間が苦痛な感じ。
別に絶望してるとか、悲しいとかじゃないんだ。
ただ・・・正直な話、生きる時も場所も選べなかったから、
死ぬ場所くらい自分で選びたいだけなんだよな。本当」
「私も実は、最期はそうしようかと思ってる。
やりたいこと全部やったら、ここぞという場所で、頭を打ち抜く」
「自殺ってある意味究極の勝ち逃げだよね」
悩みや劣等感とは関係なく、日常的に自殺を選択肢の一つと捉えてる。
生きることに特段絶望していないけど、希望も感じていない。
だからこそ深刻なのかもしれない、といつも思う。
****
老若男女を問わず、私は暖かい人が好きだ。
自分にないものを求めているのだろう。
そういう人の近くにいると、ホッとする。
近くにいると、貴いものを見守っているように感じる。
そういう人って大抵、家族愛が強い。
というか、家族の中に愛がある。
家族のいざこざで、泣いたり怒鳴りあったりする、らしい。
家族のためなら、時には自分の意志を曲げることも厭わない、らしい。
かつてうちの家も、そういう家族だった、気がする。
それとも元から、何か大きな欠陥を抱えていたのだろうか。
母親が逝った後、家族は崩壊した。
それとも元から崩壊していた家族を、母親がかろうじて支えていたのだろうか。
家族の問題の辛いところは、人に相談することさえ出来ないところだ。
客観的事実を並べるだけで、間違いなくドン引きされる。
普通にもう、慰めようがないというか。
だから私は笑って話す。弟は全く話さない。
そういうのが、人との距離感を遠くする――孤独を深める、
思いのほか大きな要因になってるのかなあと思った。
「悪いけど、そのうち自殺するかも
何のために生きてるのか、本当に分からないんだよね。
生きていくことに何の意味も見出せない。
生きてるのが辛いって言うより、面倒くさい」
とあっけんからーんと言い放たれた。
・・・しかもその気持ちが、分かったりした。
私と弟は占い師さえ姉弟と見抜けないほど似ていないし、
考え方も性格も生まれたときから全く違うけれど、
ものの見方や人生観は共通点が多いと思う。
家族に対するドライな感情とか、合理的なところとか。
父が倒れたと聞いた週末、姉は深夜まで呑み会へ、
弟は土日自宅でぶらぶら休養して帰省しなかった。
その時2人の思いは共通。
だって意識不明の重体なら、帰っても仕方ないじゃん?
心の壁が厚いところとか、異様に強い自立心とか。
人に弱みを見せることがストレスになる姉と、
母の死を知る友達がほとんどいない弟。
2人とも1人で自宅に戻った瞬間が、一番ホッとする。
だって本当に重要なことを他人と分かち合えるはずないし、
周りのものは全て移り変わるから、頼りになるのは自分だけじゃん。
「暖かい家族をもちたいと思う?」
「持てればいいなぁとは思うけど、全く想像できないな」
「だよね。想像すると、遠くにある景色かテレビの画像みたいになる」
「そうそう!家に帰って人がいて、癒されるってことの意味がわからない」
「1人暮らししてさ、自宅に帰った瞬間一番ホッとするよね」
「うん。暗くて誰もいない部屋の電気をつけるとき。
ああ、自分の部屋に帰ってきたなあって心から落ち着ける」
深い話をすると、まるで自分と話しているように錯覚する。
性格は全然違うのに、変なの。
「あんたが死んだら、私この状況下で1人取り残されるのか。嫌だな」
「悪いとは思うけど、そんなことかまってられないからね」
「分かるけどさ。死にたいときって、もうどうでもよくなるでしょ?」
「そう。本当に面倒なの。生きる気がしない。時間が苦痛な感じ。
別に絶望してるとか、悲しいとかじゃないんだ。
ただ・・・正直な話、生きる時も場所も選べなかったから、
死ぬ場所くらい自分で選びたいだけなんだよな。本当」
「私も実は、最期はそうしようかと思ってる。
やりたいこと全部やったら、ここぞという場所で、頭を打ち抜く」
「自殺ってある意味究極の勝ち逃げだよね」
悩みや劣等感とは関係なく、日常的に自殺を選択肢の一つと捉えてる。
生きることに特段絶望していないけど、希望も感じていない。
だからこそ深刻なのかもしれない、といつも思う。
****
老若男女を問わず、私は暖かい人が好きだ。
自分にないものを求めているのだろう。
そういう人の近くにいると、ホッとする。
近くにいると、貴いものを見守っているように感じる。
そういう人って大抵、家族愛が強い。
というか、家族の中に愛がある。
家族のいざこざで、泣いたり怒鳴りあったりする、らしい。
家族のためなら、時には自分の意志を曲げることも厭わない、らしい。
かつてうちの家も、そういう家族だった、気がする。
それとも元から、何か大きな欠陥を抱えていたのだろうか。
母親が逝った後、家族は崩壊した。
それとも元から崩壊していた家族を、母親がかろうじて支えていたのだろうか。
家族の問題の辛いところは、人に相談することさえ出来ないところだ。
客観的事実を並べるだけで、間違いなくドン引きされる。
普通にもう、慰めようがないというか。
だから私は笑って話す。弟は全く話さない。
そういうのが、人との距離感を遠くする――孤独を深める、
思いのほか大きな要因になってるのかなあと思った。
