2008・03
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2008/03/29 (Sat) 辞める勇気。
転勤を前にした深夜、恋人同士の電話。

「『俺のところに来い』って言えればいいのかもしれないけど、
 『一時の感情で将来を棒に振るなよ、俺にかまわず、
  鷹子が行きたいところでやりたいことをやれよ』としか言えない」

 送迎会の酔いが残る頭で即答した。

「そりゃ、君が無責任じゃないからだよ。
 私の人生の責任は私にしか取れないのに、
 俺が代わりに取ってやるって、できもしないこと言われても困る」

 電話の後、昔父親に言われた言葉を思い出した。

「おまえにはまったく干渉しないタイプの旦那が向いてるのかもな。
 そういう人はどこにも導いてくれないが、
 自分で道を選んでいくお前には、向いてるのかもしれん」

*****

送迎会で久々に先輩や同期と飲んだ折、家庭や恋愛事情の都合上、
ひょっとしたら仕事を続けるのが難しくなるかもしれないと一部に話した。

打ち明け話をしたのは情報を得たかったからである。

別天地で仕事を見つけるにはどうすればよいか。
狭い部屋で同居すると、どんな生活が待っているのか。
一度仕事を辞めて、関西で働くのは果たして可能なのか。

自分の話がすんなり受け入れられ、
各々がプライベートについて話すのを聞きながら密かに思った。

家庭や恋愛は体のいい言い訳にはなるが、
単なるきっかけに過ぎないことを忘れないようにしないと。

*****

家庭を第一に帰るなら休職して実家に戻るのが一番だろうし、
恋愛を第一に考えるなら相手が神戸に戻るまでしばらく待つのが一番だろう。
(2年以内には戻ると明言してるんだし)

私が動こうとしているのは、家族のためでも恋人のためでもない。

この会社は巨大なぬるま湯のようだ。
居心地はいいけれど、次第に湯の温度は冷めていく。
入居者達がいる限り、会社がなくなることはないだろうけど、
出るのが後になればなるほど体はふやけ、体力は奪われていく。

安定している。仕事が好き。残業がない。人間関係が楽。
動かない言い訳はどれだけだってできる。

人生は一度しかなくて、これ以上ここに居続けていても私の人生はないから。

彼に会う前から転職するつもりだったけれど、怖くて踏み出せそうになかった。
片親と恋人が居て、会社という居場所がなくなっても大丈夫なうちに、
這い出すように私はぬるま湯から抜け出す。

辞めた後、彼の家に転がり込んでノンベンダラリと過ごすのも、
すぐに新しい居場所を探して血眼になるのも結局のところ同じ。

居心地のよい居場所じゃなくて、今の私が行くべき場所、
自分の人生のある場所を見つけ出さないとな、と改めて思った。

Cafe clock

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Author:katsura takako
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マルカニエル

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