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2008/03/13 (Thu) 結婚願望
結婚願望 (角川文庫)結婚願望 (角川文庫)
(2003/11)
山本 文緒

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直木賞を受賞した恋愛小説家である山本文緒のエッセイ。
37歳×イチの著者が「生涯独身を覚悟するため」に書いた本。

…書き上げてから2年後、著者は会って2ヶ月の男性に求婚され、
結婚することになるのだが、それはまあ別の話。

以前これを読んだとき、私は生涯独身の気満々だった。
一人で何不自由なかった…というか結婚して不自由になるのが心底嫌だった。
やりたいことを全部やって、気が済んだら死のうと思っていた。

その時は、
「大人になるとみんな結婚する。
既婚者に対して人は礼儀正しく無関心だし、世の中は夫婦や家族仕様である。
東京ならいい年して独身でも目立たない。だから私は東京にしか住めない」
という一節が心に残った。まったく持ってそのとおりだよなあ。どうしよう私って。

さて、現在私は恋愛中である。

婚約してるわけでもプロポーズされたわけでもないが、
相手のご実家でお泊りしたり、会話の中で自然に結婚や子供の話が出たりと、
可能性が皆無ではないと思う。

あらためて読み返すと、やっぱりこの本、鋭いこと言ってる。

結婚とは生涯その人以外と恋愛しない約束だとか、
恋愛体質でない人は生涯1回、多くても3回でお腹いっぱいだとか、
お見合い結婚のカップルは以外と末永く幸せだったりとか。

私にはいわゆる 結婚願望=誰かと結婚したい はないと思うが、
現在彼とはかなり真剣に結婚したいと思っている。
我ながら不思議なもんだと思う。
一生働き続けたいと望むなら、結婚なんて面倒なだけなのに。

たぶん私は、一生結婚しなかったとしても幸せにやっていける。
落ち込むことだってあるけれど、そんなの結婚していたって同じ。
やりたいことだって野心だってあるし、友達や仲間もいる。

じゃあ何で結婚したいんだ?
と思うと、もうこれは本能のなせる業なんじゃないかと思うのだ。

私はみんなと一緒じゃなくたって平気だ。
そりゃ世の中夫婦仕様、家族仕様かもしれないけど、
少なくとも東京なら一人だって十分楽しめる。
しいて言えば社会的に独身だと下に見られるのが嫌だけど、
見栄のためにわざわざ結婚しようとまでは思わない。

ただ理性的には子供なんて面倒だし生涯いらないと思うのだが、
感情的に彼の子なら産んで育ててもいいかなと思う瞬間がある。
そのためには、まず結婚しなくちゃ、と思ったりする。

子孫を残したいという本能。
それこそが、結婚願望の正体であるように思う。

一生恋愛状態が続くなんて思わない。たぶん続いて数年だろう。
互いに働き続ける限り、別居婚になるだろう。
家族の切れない絆には心底うんざり、
親戚づきあいとか冠婚葬祭には関わりたくない。

それでも「結婚したいかも」なんて気の迷いを起こすのは、
どこかで子を産んで育てることを意識してるとしか思えない。

人間の欲には2通りあり、1つの欲は目的を達成すれば消えるが、
もう1つの欲は「もっともっと」とキリがないという。

一度くらい私も、真剣な恋愛をしてみたかった。
日常に彩を加える遊びや、都合から生じる馴れ合いではなく、
世界で唯一の恋人として愛して、愛されてみたかった。
それが叶えば、たとえその恋愛が燃え尽きて終わったとしても、
死ぬときの悔いがあらかた消えると思っていた。

真剣に人を好きになれば一緒に住みたいと思い、
一緒に住めば結婚したいと思い、結婚すれば子を生みたくなり、
子を産めば立派な大人に育てたくなる。

結婚願望はそんな半生をかけた欲望の入り口なのかもしれない。
・・・子が自立すれば、欲望は消えるのだろうか。

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