2008・11
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2008/03/14 (Fri) 背中をあずける。
以前パートさん(50代・既婚)が、

「結婚したとき、自分が2人になった気がしたんですよ。
 それまで…親の庇護下にいたときも、主人と付き合ってるときも、
 私の人生は自分ひとりのものだと感じてきたんですね。
 でも結婚したら、2人で人生に向き合ってる感じがしたんです」

 と言っていた。

今思えばこの言葉ほど「結婚」について的確に示した言葉も珍しいと思う。

*****

世の女性の多くはプロポーズやエンゲージリングなど演出にこだわるらしいが、
私は彼が結婚に対してどう思っているのか、現実を早く把握したかった。

しょっちゅう結婚をほのめかすが、それはリップサービスなのか本気なのか。
本気なら「いつ・どこで・どのように」結婚するつもりなのか。
結婚後はどういう夫婦生活を描いているのか。

それが決まらないことには、転職先を決められないからである。

異業種に行く以上、是が非でも今年中には動きたい。
もちろん彼にしても現段階だと不確定要素がほとんどだとは思うが、
人生プランとして彼自身の中で不動の要素というのが必ずあるはず。

それを知らずに動いた結果、引っ越したとたん異動ですれ違ったり、
転職先の仕事をすぐ棒に振る羽目になってはかなわない。

ほのめかしたり、情緒豊かに演出したりするのは苦手なので単刀直入に聞いてみた。
もし本気で結婚する気があるのなら、途中から人生が二人三脚になるようなもの。
コケたりうまく足を結べなかったりしたら嫌なので、情報を開示してほしいと。

「転職先は人生を左右する問題だから、一時の感情に流されず慎重に決めろよ。
 俺のせいで、鷹子の力が腐ったらもったいない。
 せっかく高い能力を持ってるんだから、思う存分力を発揮して活躍して欲しい。

でも・・・もしできるなら、神戸で待っててくれると嬉しい。
確かにうちの会社は異動が多いけど、俺は最後に必ず神戸に戻る。
若いうちは海外勤務だってしたいし、単身赴任になったりもするだろうけど、
最終的に俺は、あの家を継ぐつもりだから」


「今は金もないし、俺も就職したてだから、結婚はもうちょっと待って。
 一番遅くても2年後までには、必ず決着をつけるから。
11月で付き合い始めて1年だから、その時あらためて決めよう。

結婚は互いにとって人生のターニングポイントになるから、
一時的な恋愛の勢いで決めるのはよくないと思うんだ」

別居婚宣言に、将来的には親同居の可能性。

私にとって都合のよい話ばかりではなかったけれど、
話をしていて、ふいに自分の前に道が開けた気がした。

隣に佇む彼と、現在のところ物理的な距離は広く、
互いに自由気ままなので、どこまで一緒に歩いていけるか、
確証なんてなにもないのだけれど。

今この道を歩むという選択をしたことを、私は絶対に後悔しない。

例えば転職がうまく行かなくても、彼と途中で袂を別つことになっても、
単身赴任も親との同居も、彼が無職になっても病気になっても要介護になっても。

この道が続く先に自分の将来があると信じて、行ける所まで行ってみよう。
私は不確定要素が何より恐ろしいので、必要以上に他人に期待しなかったけれど、
一度くらい他人を丸ごと信頼して、人生プランを立てることに挑戦してみよう。

口約束でこんなに嬉しくなるなんて、我ながらお手軽なばか者だとは思う。
でもどうせ盲目なんだから、今更賢しいニヒリストを気取っても仕方ない。

信じるというゲーム。失敗を恐れる臆病者にとって、それは試練でもあるけれども。

誰にも頼らず期待せず、自分の足で歩いていれば転ぶことはないかもしれないけど、
相手がいなくなれば倒れるのを承知で、背中をあずけて得られるものもきっとあるはず。

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